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春が来る

更新日:2023年6月23日

木々が鮮やかに花をつけるこの季節、外を歩く人々の足取りが軽いように感じます。新たな門出を迎え、期待と不安で胸がいっぱいな人も多いのではないでしょうか。





今回は「春来草自生(春来たりて草自ずから生ず)」という禅語を紹介します。

この禅語には前文があります。



  兀然無事坐 春来草自生『景徳伝灯録』



兀然(こつねん)として無事(ぶじ)に坐(ざ)すれば、春来たりて草自ずから生ず。

黙々と何ごとにもとらわれず坐禅をし続ければ、春になると草木が自然と生えるように、時が来ると自然と物事が調うであろうという励ましの言葉です。ひたすらに目の前のことに取り組んでいると、機が熟し物事が然るべきようになる、という意味です。


先日、友人と話していた時の出来事です。久々に会ったその友人は学生の頃と変わらぬ明るさで、この日も明るいトークと笑顔で私に元気を与えてくれました。帰り際「明るい笑顔に元気をもらったよ、今日はありがとう」と伝えると、彼女は目に涙を浮かべました。少し驚き理由を尋ねると、ここ最近は中々自分の目標に辿り着かず悩み、気分が落ち込む日々が続いていたようでした。私にとって彼女は、自分で見つけた目標に向かってコツコツとひたむきに努力をしている人でした。その姿が輝いて見えていたので、彼女が涙を浮かべるほど悩んでいたとは思いもよりませんでした。彼女は「この時間がリフレッシュになったから、気持ちを新たに頑張れそう!」と言い、晴れやかな笑顔で帰って行きました。


その言葉の通り、彼女はひたすら自分の目標に向かって絶えず努力し続けたのでしょう。機が熟し、この春目標であったことが叶い、彼女は新たな門出を迎えます。


私は、つい先々の予定に焦らされToDoリストで頭の中がいっぱいになり全てを投げ出したくなる事があります。「目の前のことをコツコツと」と自分に言い聞かせ、機が熟す日まで気持ちを絶やさず、まずは今日という一日を大切に過ごして行こうと感じた出来事でした。

新たな春を迎える皆様へ「兀然(こつねん)として無事(ぶじ)に坐(ざ)すれば、春来たりて草自ずから生ず」

共に一歩ずつ進んで参りましょう😄



軽部真生


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