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初心を思い出す
毎年、元旦になると目標を立てる。 けれど、去年の目標が何だったかを 思い出そうとしても、 さっぱり浮かんでこない。 きっと、その程度のものだったのだろう。 そんな私にも、一年のうちに 何度も繰り返し立てる目標がある。 それはお風呂上がりにストレッチをすることだ。 おそらく、これまでに同じ決心をした ことがある人も多いのではないだろうか。 もうとっくに身体が柔らかくなっていても いいはずなのに、相変わらず硬いままだ。 前屈をしても手のひらは地面に届かず、 指先がかすかに触れるのが精一杯だ。 特に運動をしているわけではないので、 体が硬くても困ることはない。 けれど、柔軟な身体を持つ人には どうしようもなく憧れてしまう。 きっと、私よりも身体がしなやかで、毎日を 軽やかに暮らしているのだろうな と想像してしまうのだ。 今年こそはストレッチを続けるとして…… もうひとつ、目標に決めていたことがある。 それは「初心を思い出す」ことだ。 私は東京の大学で写真学科に通っていた。 写真は今でも大好きで、ふとした日常を 切り取るようにしている。 しかし最近

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1月10日


「永く、受け継ぐ」
毎年のことだが 年の瀬になると、今年も早かったと感じる。 そして、その感覚が年を重ねるごとに 強まっている今日この頃である。 暑さが引いたかと思えば急に寒くなり、 気づけば、早12月。 私は洋服から着物まで、 すっかり冬仕様に衣替えを済ませた。 僧侶であり、かつ尺八演奏家でもある私は、 着物を着る機会が 同年代の友人と比べても非常に多い。 そして、着物は上の世代から譲り受ける。 私が法要で使う着物は 僧侶である父方の祖父のもので、 演奏会で使う袴は 尺八奏者である母方の祖父のものである。 修繕しながら大切に使っていれば、 次の世代にも受け継いでいくことが できるのが着物の良さ。 ひとつのものを大切に 長い時間使っていくというのは、 日本に根差した文化の素敵なところだと 私は思う。 楽器も同様に、 修理と手入れを繰り返しながら使っていく。 以前お世話になった70代の演奏家が ご自身の楽器について、 こう語っていたのが印象に残っている。 「私の楽器は修理と手入れを繰り返しながら 大切に50年使ってきました。 決して高級品ではないけれど、 楽器はま

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2025年12月20日


タイトル:佛縁を育む
息を吐けば、白んだ息が寒風に流される。 花を携えた指先が赤みがかってひりひりと。 たまの休日に私はある場所へ向かって歩を進める。目的があるときの足取りは実に快活だ。インドへ向かった三蔵法師も奮迅の歩みで一歩一歩、シルクロードを踏破したのだろう。 私の目的もそれと同義だ。仏に会わんと、寒さをものとせず向かっている。 私のお寺から5km歩いた場所に、大体1mほどの高さがある観音像が鎮座している。台座には「東雲(しののめ)観音」と彫られている。観音像が見つめる先には「東雲(しののめ)公園」という大きめの公園がある。「東雲観音」が在るから「東雲公園」なのか、「東雲公園」が在るから「東雲観音」なのか、町内にいる人たちはみな知らないと思われる。当然、私も知らない。 鶏が先か、卵が先か程度の話でしかないのだろう。 私はこの観音像に時々、生花を供えに来たり、お盆の時期にはお経を唱えに来ている。 いつ誰がどんな目的で建てたのか。気になるところであるが、子どものころから線香も花も供えられていない観音像が気になっており、仏門に入ってから時折、何か供養になればと供えてい

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2025年12月2日


どっちも正解
11月ともなると、風はすっかり冬の顔である。 こうも寒いと、どうにも億劫でならず、 せめて体を温めようと部屋の大掃除を始めた。 すると、押し入れの奥からなんとも懐かしいシロモノが出てきたのである。 小学校六年生の図工の時間に作った、木製のペン立てだ。 彫刻刀で指まで削りそうな勢いでガリガリと彫り、 絵の具でべたべたと色を塗り、 ニスでテカテカに仕上げた一品である。 当時の私は宇宙に夢中で、 ペン立てには土星や地球、月が拙いタッチで描かれている。 これを傑作だと信じていたのだから、 子どもの自信というのは大したものである。 このペン立てのすごいところは、蓋にオルゴールが仕込める点にあった。 図工の時間。ペン立てキットの注文リストには様々な曲が並んでいたが、 私は当時大流行していた「マル・マル・モリ・モリ!」を選んだ。 本当は他に好きな曲があったのだが、 私には小学生ながらの浅はかな計算があったのだ。 休み時間、友人のケンタくん(仮名)に 「オルゴールの曲、何にした?」と聞かれ、私は得意げに答えた。 「マルモリにしたよ。大人になったとき、これを聴けば

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2025年11月8日


か、かわいい
あれは、昨年の冬のことです。 吐く息が白く染まり 境内の木々の葉もすっかり落ちて 寒々とした風が吹き抜けていました。 富士の山にも白く雪が積もる そんなある日 私が生まれ育った静岡の寺の境内に 凍えた一匹の野良猫が ひょっこりと姿を現しました。 私がそっと近づくと、 逃げるどころか自ら歩み寄り、 ためらうことなく 私の膝に飛び乗ってきたのです。 そして、そのまま丸くなり、 まるで昔から そこが自分の定位置であったかのように、 安心しきった様子で喉を鳴らしました。 ──── か、かわいい そこで撫でてみると、 毛の下から骨ばった感触が伝わってきます。 痩せてはいるけれど、 その小さな体は確かに温かく、 生きているという力を感じさせました。 その温もりを抱えながら、 私はふと考え込みました。 この猫は たまたま通りかかっただけではないか。 とはいえ、この人懐こさは 誰かの飼い猫なのではないか。 優しくしなければきっと どこかへまた去っていくのではないだろうか。 生き物のありように安易に手を加えてよいのか。 しかし、凍えていた小さな命が 今、私の腕の中

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2025年10月25日


子どもたちの輝き
大人になって、 気がつけば世界がつまらなくなっていた。 園庭を駆け回る園児たちを見てはっとする。 その目には、 もう今の私にはない輝きに満ち溢れていた。 私たちShojin-Projectは、 9月にいくつかのこども園を訪れて オリジナルの演劇を上演しました。 今年のテーマは「食育」で、 食材のいのちと、食事を支えてくれる人びとへの 感謝の気持ちを持ってもらうために 「いただきます」の意味を伝える劇を作りました。 実際に上演してみると、 子どもたちのエネルギーに圧倒されます。 舞台上の出来事に全神経を注ぎ、 一生懸命反応を示してくれます。 目の前のことに夢中だからこそ 生まれる素直さと力強さ。 そのキラキラした目に助けられて 練習以上の演技が引き出されることもあります。 面白いことに、同じ劇を上演しているはずなのに、 子どもたちの不思議な力が加わって 公演ごとに違った色が現れたのでした。 劇が終わり、一緒に遊ぶ時間になると 園児たちは小さな身体を懸命に動かします。 転ぶ

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2025年10月14日


永遠の一瞬
先日、東京都内で行われた模型のイベントに参加した。 首都圏に住んでいないと 東京で行われるイベントに行くことは難しい。 地方出身の私は「今こそ参加するときだ」 と思い切って参加してみた。 結果としては、イベントはとても楽しくて 充実した時間を過ごすことができた。 「参加してみて良かった。今日はいい日だったな。」と思えた。 しかし、ふと考える。 もっと「東京に居たらやりたいこと」は無かっただろうか? お盆に帰省した時は 「今度東京に戻ったら、アレをしたい、コレをしたい。」 と色々と考えていたはず。 けれども、そのほとんどは実現されていない。 もっと早く思い出して行動に移していれば、 より充実した日々になっていたかもしれないのに。 思い返せば、大学時代もそうだった。 東京都内の大学に入学した時、 「4年間も東京で生活できるのだから、色んな経験をしたい」と思った。 でも、そのことを忘れて日々を浪費した。 「明日でいいか。」「また今度でいいや。」 そう考えたことは数限りない。 気が付けば、いつの間にか大学生活は終わっていた。 過去の、後悔の記憶がよみがえ

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2025年9月30日


みかんに教えられた
先日、冷蔵庫の中を 掃除していたときのことです。 奥のほうから、ずいぶん前に買ったまま 忘れていたみかんが出てきました。 買った当初は、張りのある きれいな実をしていたのに、 すっかりぶよぶよになり、 皮の表面も黒ずみ、 手に取るのもためらうような状態でした。...

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2025年8月24日


茜色の送り火
7月13日から15日 東京都内ではお盆を迎えた地域もありました。 正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。 私が生まれ育ったお寺のある地域は 8月にお盆を迎えます。 毎年お盆には「棚経(たなぎょう)」といって、 お檀家さんのお宅を一軒ずつ回り...

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2025年7月26日


撮れなかった一枚
見知らぬ土地の空気に触れることは、 時に日常で凝り固まった頭を 柔らかく解きほぐしてくれます。 その日は、那覇の「波の上ビーチ」で、 人々の賑わいから少し離れた浜辺を 歩いていました。 足元に目をやると、 岩場のくぼみに 潮が引く際に取り残されたのであろう、...

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2025年7月5日


「家蜘蛛」
部屋に蜘蛛が出た。
家によく出る小さい蜘蛛だ。

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2025年6月28日


「雲の上には、いつも青空がある」
まだ冬の名残を感じる早朝、 私は羽田空港に向かっていました。 これから、 久しぶりの旅行に出かけるところです。 しかし、東京の天気は激しい雨でした。 空港に向かうのを少し億劫に感じながら、 なんとか到着しました。 待ちに待った旅行のはずなのに、 どんよりとした空模様のせいか...

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2025年5月24日


「ほんとうの私?」
先日、昼下がりの公園でベンチに 腰を下ろしていると、 ふと足元で小さな動きがありました。 目をやると、いつの間にか 5、6羽のスズメが集まっていたのです。 スズメたちは、私の足先のすぐ近くで 木の実をついばんでいました。 驚くほどの近さ。...

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2025年5月10日


「この命に、ありがとう」
4月8日は「花まつり」 お釈迦さまのお誕生を お祝いする日です。 多くの寺院では、 花で飾られた花御堂に 小さなお釈迦さまの像を おまつりし、甘茶をそそいで お祝いします。 「天上天下 唯我独尊」 (てんじょうてんげ ゆいがどくそん)...

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2025年4月26日


正しい道に向かって歩く
先日、とある海沿いの山に行ってきました。 目的はレジャーではなく、自分自身に向き合うための「修行」です。 明け方の寒さの中、案内をして下さる地元の方の後について、山道を全力で駆け抜けていきます。 日頃の運動不足がたたり、あっという間に呼吸は乱れ、体中が痛み始めます。...

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2024年3月1日


学校の快談
休日の朝、電車の中で私はいつもの様にイヤホンをして音楽を聞いていました。 次は何の曲にしようかなと迷っていると、 母と子の会話が聞こえてきました… その男の子は、車窓に広がる風景を 楽しそうに眺めながら、 お墓の近くにある学校を見て 「あの学校、おばけでそう!こわいよね!」...

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2024年2月9日


新年の抱負
新しい年を迎えました。 昨年は春から9年ぶりの東京での一人暮らしを始め、様々な挑戦をした年でした。 弓道を始めたり、料理教室に通い始めたり、カメラを買って写真を撮りに散歩に出かけたりと、興味のあることをとにかくやってみるという姿勢で一年を過ごしました。...

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2024年1月19日


バラと掃除と
月日の移り変わりは早いもので、気がつけばもう12月も半ばです。あわただしく過ぎ去る日々の中では、時折ゆっくりと季節を感じたくなります。 11月の初旬は、秋バラを見に行ってきました。訪問させていただいたのは、東京都北区にある旧古河庭園(きゅうふるかわていえん)です。...

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2023年12月15日


「幸せになりますように」
みなさんこんにちは!
Shojin-Projectの大俊(だいしゅん)です。
先日、「京都お寺めぐりの旅」をしてきました!
感覚を言葉にする難しさに悩みます。
お坊さんだって、いや、お坊さんだからこそ悩むのです。(笑)
色々と感じながら読んでいただけると嬉しいです!

Shojin-Project
2023年11月24日


劇団「Shojin‐Project」
Shojinproject 皆さんこんにちは!Shojin-Projectの宏淳(こうじゅん)です。 今回は、Shojin-Projectのメンバーで、愛知県の幼稚園・保育園に伺い、演劇を上演してきました。 曹洞宗総合研究センター教化研修部門では、子どもたちと楽しみながら仏...

Shojin-Project
2023年10月13日
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