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駅伝と祈祷

お正月の風物詩といえばいろいろありますが、私はその中でも特に箱根駅伝が浮かんできます。箱根駅伝は東京・読売新聞社前~箱根・芦ノ湖間を往路5区間107.5Km、復路5区間109.6Kmの合計10区間217.1Kmで競う、長距離の持久走のことをいいます。大正6年、東京奠都(東京が首都に定められたこと)50周年を記念して開催された「東京奠都(とうきょうてんと)五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」がモデルとなっているといわれてます。当時は京都から東京間の516キロメートルを23区に分けて3日間行ったそうです。私は駒澤大学出身ということもあって毎年応援をしているのですが、今年は駒澤大学が優勝を飾ることができて大変うれしいお正月となりました。選手の渾身の走りには毎年感服するばかりなのですが、その頑張りを毎年いただいて今年も頑張ろうという気持ちにさせていただいてます。そのなかでふと頭によぎるものがありました。それは「駅伝でもらったがんばろうという気持ちというのが何かに似ている」ということでした。




よく考えてみるとお寺や神社などで行う「祈祷(きとう)」でした。「家内安全」「交通安全」「商売繁盛(はんじょう)」「病気平癒(へいゆ)「学問成就」皆様もこのような祈祷を受けたことがありますでしょうか?私は何度か祈祷を受けたことがありますが、大きな勘違いをしていたことがあります。その時私が受けた祈祷は交通安全でしたが、家族との話の中で車の事故のことが話題になりました。母は「最近事故が多いからあなたも運転にはくれぐれもきをつけるのよ」と私に言いました。私は「今年は交通安全の祈祷をしてもらったから大丈夫だよ」と答えました。すると父から「祈祷をしてもらったから大丈夫じゃなくて、祈祷をしてもらったからこころがけなきゃいけないんだよ」と返ってきました。その言葉に私はなるほどな、と感じさせられました。確かに祈祷したから終わりなのではなく祈祷というのは、ただ行うことではなく、することによって自分自身の気持ちにけじめをつけてくれる、背中を押してくれる、いわば応援してくれる存在なのだと、父から聞いたその話で私は祈祷を受けるたびに「よし、今年もがんばろう」と駅伝からもらった頑張りの気持ちと同じような感覚になっていました。駅伝と祈祷、これは意外と似てるところがあるんだなと感じた2023年のはじまりでした。

福島  合掌

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