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日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

更新日:2023年6月23日

読書は多くの学びができる習慣だと思います。自分がまだ知らない世界と出会い、新しい知識や異国の文化まで、幅広く学ぶことができます。

他人が経験したことや考えていることが共有されることによって読者自身の人生に対する気づきがあるのではないでしょうか?


今回、皆様に紹介いたします『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、二十代でお茶の稽古に通い始めた森下典子氏のご自身の経験をエッセイ化した作品です。ベストセラーにもなった本作を完読して思ったのは、茶の湯の世界の外形に触れることだけではなく、自分の参禅にとっても学びが多かったことです。



「日日是好日」と聞くと、大森立嗣監督の『日日是好日』という映画を思い出す方も多いと思います。実は私もそうでした。

数年前のことでしたが、「日日是好日」という映画に出会って、繰り返して何度も見ていました。海外でも人気となったこの映画について調べてみたところ、大森立嗣監督の映画の原作は森下典子氏の作品であることを初めて知りました。

当時、日本語で書かれている本はあまり読んだことがなかったので、挑戦するかどうか迷っていましたが、読んでみたらとても読みやすくて、この楽しいストーリーに乗って完読が出来ることが励みとなりました。

初めて本作と出会う方は「難しいお茶の話なのかなぁ」と思うかもしれませんが、「茶道」の本ではありません。初心者であった森下氏の語りによって、お茶の世界を紹介しながら四季の変化や時間の巡りも実感もできるような作品です。自然に触れているような気持ち、自分の周りにある環境に直接触れているという気づきもできたと思いました。


「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身を切られるような寒さを味わう。……どんな日も、その日を思う存分味わう。」


という部分を読んで河川を弾きながら、大本山永平寺を開かれた道元禅師様が詠まれた和歌を思い出しました。


「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」


道元禅師様の最も有名な一句、「穏やかに安心した生き方ができるよ」と言われている気がします。


当たり前のことを当たり前のように見る力。誰にでも、すでに備わっている力ではないでしょうか?




フェルナンデス浄賢


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