ミニマリスト本『ぼくたちに、もうモノは必要ない』
- Shojin-Project
- 2022年9月2日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年6月23日
9月になりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。Shojin-Projectの敞英です。
2022年も残り4ヶ月。やり残した事がないように充実した時間を過ごしていきたいですね。
さて今回は、私たちShojin-Projectのメンバーがオススメの本を紹介する「ひんでい本棚」のコーナーです。
私の読んだ本の中で、皆さんの生活に役立てられるのではないかと思い、オススメの一冊『ぼくたちに、もうモノは必要ない』を紹介したいと思います。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない』−
どういった内容の本かというと、ズバリ「ミニマリズム」についてです。
編者の佐々木典士(ささきふみお)さんは出版社勤務時代の2010年頃から徐々に身の回りのものを手放し始め、ミニマリズムの実践者「ミニマリスト」になりました。
その後、ミニマリズムについての発信サイト「ミニマル&イズム Less is future」を開設。
初の著作であるミニマリスト本、通称「ぼくモノ」は25カ国語に翻訳され、現在も発売中です。
このミニマリズムという言葉は、ミニマリストのyoutuberが出てきたり、instagramなどのSNSでの発信もよく見受けられるようになってきたこともあって、最近ではかなり認知されるようになってきましたが、佐々木さんはその先駆者とも言える人でしょう。
ミニマリストの定義−
ミニマリストというと、モノを最小限にして生きると言うイメージがあります。
しかし、第1章「なぜ、ミニマリストが生まれたのか」(47頁)によると、
佐々木さんはあえてミニマリストを定義するならば、「本当に自分に必要なモノがわかっている人」、「大事なもののために減らす人」と答えています。
印象的だったのが、
ただ他人の目線だけを気にした「欲しい」モノでなく、自分が本当に「必要」なモノがわかっている人。大事なものが何かわかっていて、それ以外を「減らす」人のことだ。
何が「必要」か、何を「大事」にするかというのは人によって違う。
「減らす」内容はもちろん違ってくる。
ミニマリズムに正解はないのだ。
という言葉。
私自身も、ミニマリストとは「最低限のモノ以外、極端に何も持たない人」というイメージを抱いていましたが、そうではない事がわかりました。
つまり、客観的な視点によるものではなく、あくまで自分の視座に立った上で「必要」なもの以外を減らした人のことを指すということ。
これならば、誰しもが無理なく取り入れる事ができる考え方だなと感じました。
ミニマリズムとは決して、「無理に捨てなければならない、モノを減らさなければいけない」というのではなく誰もが自分の感覚を大事に、強制される事なく取り組む事ができるようです。
お釈迦さまの説いた「知足」の教えとミニマリズム−
このミニマリズムの考え方、やはり佐々木さん自身も第4章「モノを捨てて、僕が変わった12のこと」(277頁)の中で、私たち曹洞宗の僧侶が食事の際にお唱えする「五観の偈」(ごかんのげ)について書いているので、仏教についてもかなり勉強をされているような印象を受けました。
そして気になったので、佐々木さんのTwitterを拝見してみると、「これって仏教だな」と思えるところがいくつもありました。
お釈迦さまはお亡くなりに際して、「八大人覚」という8つの生き方を示されました。その一つが「知足」です。人生においての充足感(足る)を感じていれば過剰な欲求は湧いてこない、との教えです。これはお釈迦さまが到達された迷いがなくすみきった心持ちの中から自然と表出された教えであり、他人から強制されるべきモノでは無いのです。
現代を生きる私たちは、他人よりも持っていることが「優れている」と思ったり、持っていないことが「劣っている」と感じます。これは価値判断の基準が他人との比較によって作られているからでは無いでしょうか。
しかし、
ただ他人の目線だけを気にした「欲しい」モノでなく、自分が本当に「必要」なモノがわかっている人。大事なものが何かわかっていて、それ以外を「減らす」人のことだ。
という佐々木さんのミニマリストの定義を見てみると、モノに対する価値判断の基準はあくまで自分側に置いていることが分かります。
また「そんなミニマリストみたいに、モノを極端に減らした生活はしたくないよ〜」と興味がない人でも、モノに対する考え方が学べる構成になっていて、読み進めているうちに、思わず不思議と部屋の掃除や断捨離を始めたくなる、そんな気持ちにさせてくれました。
これからお部屋の片付けや断捨離をしようと思っている方は読んでみると何か
ヒントが得られるかもしれません。
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