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「この命に、ありがとう」


4月8日は「花まつり」
お釈迦さまのお誕生を
お祝いする日です。
多くの寺院では、
花で飾られた花御堂に
小さなお釈迦さまの像を
おまつりし、甘茶をそそいで
お祝いします。

「天上天下 唯我独尊」
(てんじょうてんげ 
   ゆいがどくそん)

お釈迦さまが生まれてすぐに
語られたと伝えられるこの言葉には、
「誰もがかけがえのない存在である」
という、想いが込められています。
花御堂
花御堂

花まつりを迎える少し前、

わが家に新しい命が誕生しました。


「おめでとうございます!」


助産師さんの手に抱き上げられた

小さな身体。

分娩室に響き渡る産声。

長い時間が

一瞬に凝縮されたような感覚。

ハッとして妻を見ると

疲れきった表情の中に

穏やかな微笑みが浮かんでいました。


その顔を見た瞬間

胸がぎゅっと締めつけられ

涙がこぼれました。


生まれたばかりの

赤ちゃんの頬に触れると

その身体は驚くほど小さく

あたたかい。


お腹の中で

大切に育まれてきた命が

今こうして目の前にいる。


わかっているはずなのに

やっぱり不思議で

――でも、確かにここにいる。


ああ、本当に生まれてきてくれたんだ。


「ありがとう。」


思わずこぼれたその一言には、

妻への感謝

赤ちゃんが無事に生まれてきてくれた喜び

自分もまた母から生まれてきたのだという

「有難さ」

――いくつもの想いが重なっていました。



命が生まれることは

当たり前のようでいて

決して当たり前ではない。


母の身体で育まれ

数えきれない支えを受けて

ようやくこの世に生を受ける。

生きているということが

どれほど有難く、

かけがえのないことなのか――


わが子の寝顔を見つめながら、

この子はどんな声で笑うのだろう? 

どんな言葉を最初に話すのだろう?

そんな未来を思い描くと、

すべてが未知で、すべてが愛おしい。


命を授かることが、

本当に奇跡のように感じられます。


日々の生活の中で、つい忘れがちな

「生きていることの尊さ」を、

お釈迦さまの言葉とともに

花まつりの日にあらためて感じました。


御木賢成



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