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「永く、受け継ぐ」

更新日:1月9日


毎年のことだが

年の瀬になると、今年も早かったと感じる。

そして、その感覚が年を重ねるごとに

強まっている今日この頃である。

暑さが引いたかと思えば急に寒くなり、

気づけば、早12月。

私は洋服から着物まで、

すっかり冬仕様に衣替えを済ませた。


僧侶であり、かつ尺八演奏家でもある私は、

着物を着る機会が

同年代の友人と比べても非常に多い。

そして、着物は上の世代から譲り受ける。

私が法要で使う着物は

僧侶である父方の祖父のもので、

演奏会で使う袴は

尺八奏者である母方の祖父のものである。

修繕しながら大切に使っていれば、

次の世代にも受け継いでいくことが

できるのが着物の良さ。

ひとつのものを大切に

長い時間使っていくというのは、

日本に根差した文化の素敵なところだと

私は思う。

 

楽器も同様に、

修理と手入れを繰り返しながら使っていく。

以前お世話になった70代の演奏家が

ご自身の楽器について、

こう語っていたのが印象に残っている。


「私の楽器は修理と手入れを繰り返しながら

大切に50年使ってきました。

決して高級品ではないけれど、

楽器はまだまだ現役です。

若い頃から苦楽を共にしてきた相棒だけど、

自分が演奏家を引退したら、

弟子に受け継いで、

また使ってくれたら嬉しいですね」


私が今使っている尺八は、

数ある中から試奏を重ね、

その音色に一目惚れして選んだ一本だ。

和楽器は手作りゆえに、

音色に一本一本個性があり、

同じものは二つとしてない。

楽器との付き合いが長くなればなるほど

愛着も一層深まってくる。

弟子に受け継ぐことができるくらい、

大切に長く付き合っていきたいものである。


私の属する曹洞宗では、

師匠から仏法を受け継ぐ儀式の際、

出家者の証である「御袈裟」を受け継ぐ。

それは師匠が弟子を、

「法を継ぐ者」として認めた証でもある。

そして受け継いだものを大切に使い、

また次の世代へとつないでいく。

 

世間では「お下がり」という言葉も

長らく聞いていない気がしている。

ファストファッションで購入したTシャツは

ワンシーズンで着古されて、

服も「使い捨て」の文化に

なりつつあるのかもしれない。

しかし、そんな時代だからこそ、

物を長く大切に使っていく、

その思いを改めて大切に

していきたいものである。



今年もShojin-Projectを応援いただき

ありがとうございました。

皆様、よいお年をお迎えください。


宗河







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