整理整頓
- Shojin-Project
- 2018年5月15日
- 読了時間: 2分
更新日:2018年5月22日
私が修行していた頃、お寺に参拝に来られた方からこんなことを聞かれたことがあった。
「お坊さんって、最低限のものだけで生活してるんでしょ?」
確かに、修行をしていた時、身の回りの物は必要最低限のものしか持ち込むことができなかった。
携帯電話、テレビ、新聞は無論、余分に多く買った靴下に下着、ノート、何色も用意した蛍光ペン、手に塗るハンドクリームも、そんなもの必要ない!とばっさり。
そしていざ修行が始まると、あまりの物の無さに驚愕した。みんなで使う畳の部屋には棚と衝立(ついたて)があるだけだった。
そんな修行生活を終え、家に戻ったときに呆然とした。
きれいにしているつもりでいたが、よく見ると散らかっていた自分の部屋。
ぎゅうぎゅうに洋服を詰めこんだ箪笥、押し入れを開ければ積みあがった雑誌、棚の中もあれもこれも詰め込んでいる状態であった。
ハッと、修行中のあのみんなで使っていた畳の部屋を思い出した。
棚の中はスペースが残るほど整理整頓された部屋。思い返してみると、修行中、そんな部屋では雑念もなくどこか心にゆとりを持っていた気がした。
心のゆとり、落ち着きというが、身の回りの環境についても言えることなんだなと感じた。 改めて、身の回りの物を整えていこうと感じた。

武井広機
(2018/05/10の駒沢坐禅教室より)
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