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世界の見え方

 今年の夏、私は上野の国立科学博物館でやっている昆虫展を見に行きました。そこでは虫の立場から見える世界観が展示されており、私はすっかり虫の魅力に惹かれました。

 例えば、虫の視力はほとんどないといわれていますが動体視力はとても優れ、さらに複数の眼を持つことからあらゆる角度を見通すことが出来ます。色の見え方も人間とは全く異なり、例えば白い花は青く見えたりするそうです。このように同じ世界にいても、人間と虫では世界の見え方が全く異なるのです。

 仏教の言葉で「仏眼(ぶつげん)」という言葉があります。仏の眼、つまり真実を見通す悟りの眼は、この世界をありのままに見ることが出来ると言われています。一方、私たちが今見ているこの世界は本当にありのままの世界といえるのでしょうか。当たり前と思っているこの世界は、虫たちから見ればまた違った世界となっているように、この世界をありのままに見通すこと、それはとても難しいことなのです。

 大事なことは世界には様々な見え方がある。そのことに気づくだけでも、この世界はまた違った景色を見せてくれるのではないでしょうか。



秦慧州

(2018/9/27の駒沢坐禅教室より)





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