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痛みを見つめる

坐禅をしていると段々と脚が痛くなってくるかもしれません。坐禅は我慢大会ではないので、どうしても辛くなったら脚を解いて大丈夫です。


ただ少しだけ、痛みを味わう余裕を少しだけ持っていただきたいと思います。

村上春樹の本に『走ることについて語るときに僕の語ること』というものがあります。

その中で、あるマラソンランナーが42.195キロ走る際に、頭の中で繰り返し唱えている言葉が紹介されています。

それは、「痛みは避け難いが、苦しみはこちら次第」です。


痛いと判断を下すと、私たちはそれから逃れようとします。それでもその痛みはなかなかなくならない。足を崩しても、他のところが痛くなってくる。こうした痛みから逃れようとするところに苦しみが生まれるのです。


痛みをもたらす感覚自体をなくすことはできません。けれど、そこから逃れたいという思いは和らげることができます。


それには、穏やかな呼吸を続けながら、自分の逃れたいという思いに対して覚めた眼差しを送ることが必要です。


それぞれのできる範囲で大丈夫ですので、自分の痛みと向き合ってみてください。




久松彰彦

(2018/04/28の駒沢坐禅教室より)

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