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美しいものたち

世の中には数多くの美しいものがあります。


朝焼けの中に佇む街路樹や、道端にひっそりと咲く一輪の花。

ショーウィンドウに映った青空や、灰色のビルにかかった小さな虹。


私たちのすぐそばにある美しいものたち。

でも、どんなに美しいものであっても、それだけでは美しいものとはなりません。

中国の言葉に次のようなものがあります。


「夫れ美は自ら美ならず。人に因って彰わる。」(柳宗元)


だいたい美というものは、それ自体で成立するわけではない。誰かがそれを感じとって、はじめて美としてあらわれるのだ。という意味です。


美しいものは、伝える側と受け取る側。その二つがあってはじめてあらわれるものです。

私たちのすぐそばにある美しいものたち。


そして、目に映る景色だけでなく、私たちの内にもある美しいものたち。

その美しいものたちに気づき、美しいものとしてあらわしていくために。

独りよがりにならず、心も体もどこかに片寄るのではなく、ただあるがままに物事をみつめていくことが大切ではないでしょうか。


今日のこの坐禅の時間が、そんな気づきの一助になることを願っています。



山内弾正

(2018/5/19の駒沢坐禅教室より)

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